004：汚れた包帯

痛みには慣れた
この行為で気が済むのなら　オレは喜んで身を捧げる
正直な所　父に可愛がられている　アイツが羨ましかったのかもしれない
例え形が間違えていたとしても　存在を認められているアイツ
それが羨ましくて妬ましくて　恨む事しかしなかったオレ
胸の烙印は　何もしなかった罪を忘れないようにする為に
日々の行為は　罪を罰する為に
流れ落ちる紅は　汚れた魂を洗い流す為に
身に巻かれた包帯は　オレを現実に繋ぎ止める為の枷
行為が終わるとアイツは　さっさと視界から消える
追いかけたくても追いかけることは出来ない
纏わり付く　白がオレの邪魔をする
動きたくても　手を差し伸べたくても　紅に穢され
かつての純白の姿は見る影も無く汚れきった枷を眺めながら
あまりにも自分に似合いすぎて笑いが込上げてくる
あぁ　何て滑稽な姿なんだろう
赤と白　まるで道化師のよう
仮面をつけ　笑顔以外何も無い道化師になりたい

■お題提供■ 追憶の苑　様
歪んだあなたへの１００題