002：痛みを伴う

誰かが幸せになったら　誰かが不幸になる
コレが世の摂理
例外はない
僕の痛みの終了と君の痛み始まりも同時だった
あまりの痛みに声を出すことも出来ず
肩で息をしている姿を上から眺める
少し刃を動かすと途端に上がる悲鳴
悲鳴によって落ち着いていく精神
僕が幸せになり　君が不幸になった瞬間

■お題提供■ 追憶の苑　様
歪んだあなたへの１００題

白い世界

ふわり、ふわり　　ただ舞い落ちる雪
何か使命を帯びているわけでもなく、この汚れきった世界に堕りてくる純白の妖精
すべて灰色に見える中で　　一際綺麗な白…
白いシーツを身にまとい、俺はカーテンと窓を開き、雪に一歩ずつ近づいてゆく…
「ゆき…」
何か愛しい者を触れるように手を伸ばしてみても、触れられない…
やっと、触れられたと思った瞬間溶けて消えてしまう。
後に残るのは冷たいという感覚だけ。
どうして神は、彼らを地上に送るのだろう。
こんなところに送られたって、すぐに消えて無くなってしまうだけなのに…
さぁっと、冷たい風が身にまとっている白いシーツを揺らす
まるで許されない恋をした恋人同士のように見つめて、
手を伸ばしてみても、やはり消えてしまう…
触れると壊れてしまうのなら、ただ眺め続けておくしかないのか？
そんなの哀しすぎる…
舞い落ちる雪にそっとキスをする
冷たいキス…溶けてしまった雪で彩られた唇
やはり、俺には見ている事しか出来ないのかもしれない…

ふわり、ふわり
それでも舞い落ちる白い雪
何の使命を帯びるわけでも無く、地上に降りてくる純白の妖精…

001：言葉の代わりに、君に刃を

胸の傷は治り　傷痕になった
でも心の傷は　何年経とうとも治る気配ですらなく鮮血を垂れ流している
瘡蓋になる事もない
現在進行形で僕を苦しめる
目をつぶると　浮かんでくるのは　あの時のアナタの顔
その目は　僕を捉えているようで　違う何かを見ていた
ねぇ？　何を見ていたというの？
僕を通してアナタには何が見えていたの？
誰の代わりだったの？　ねぇ？
訊ねても誰も答えてはくれない
だって　アナタは何処かへ行ってしまったのだ
あの日から探し回っても何処にいるのかでさえ分からない
僕も同じ立場になったら　少しは気持ちが分かるだろうか？
この傷も瘡蓋となり　いずれは消えていくのだろうか？
右手にはナイフを　左手には伝えきれない言葉を込めて
僕の１番　大切な弟に
生まれる前から　ずっと一緒だった　アナタの息子に　あの日の気持ちを尋ねます
僕がアナタの立場で　アナタの息子が僕の立場
これ以上　分かりやすい　構図はないでしょう
目の前には　僕と同じ顔　恐れ怯え視点が定まっていない眼
あぁ　あの時の　僕は　こんな顔をしていたのですね
逃げようと　反撃しようとする　四肢を力でねじ伏せ　右手を振り上げる
怯える瞳に写るのは　あの時のアナタと同じ　狂気に彩られた僕の瞳
あぁ　何となく　わかったのかもしれない
アナタが何を考えていたのかを
僕は安堵と共に　右手を振り下ろした
大好きだよ　という言葉は伝えずに　振り下ろした右手は迷うことなく　胸に突き刺さった

■お題提供■ 追憶の苑　様
歪んだあなたへの１００題

懐かしいものが出てきた。

光が地上に堕ちた。　大量の羽根と共に…
紅い花を咲かせながら　闇を引きつれ　大地に足をつける
この世に災いを撒くために　紅く染まった羽根を羽ばたかせながら
現れた堕天使　過去に囚われ　背中の羽根が真紅に染まったことにも気付かず
その姿は　まるで道化師のよう
翼に絡まった　鎖を断ち切ることも叶わず
手が届きそうな　自由も掴み取ることも出来ない
何もかもが創造神の手のひらで踊らされている
闇に囚われた者の行く末…
もう2度と光の世界には帰れず　闇の中で独り最期の時をむかえる
今は　それでもいい　彼には　もう何も無いから
世界を破壊しつくすまで　我を忘れて踊り続けるしか
彼は選ぶことが出来ないのだから…









あれですねぇ。
中学の授業中に書いてた奴です。
ルーズリーフで出てきましたよー。
にしても、暗い中学生だな(笑

無題

壊れる
何かが壊れる音がする
痛い
頭？それとも心が痛いの？
どうしようもない痛みが全身に広がる。
その痛みの所為で自身が壊れそうになる。
それの繰り返し。
あの時、ああしていればよかった。
あの時、形振り構わず手を差し伸べていればよかった。
今さら考えても遅い。
『過去』に『もしも』なんて言葉はないのだ。
例え俺があの時、手を差し伸べていたとしても、きっと何も変らなかっただろう。
彼女はもう壊れていたのだから・・・。